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2013年11月24日 (日)

人口減少問題と上野村(中央公論を読んで)

本を読んで感想をかけという宿題をもらったので、やることにします。ついでに忙しくて全く触っていなかったブログも一年ぶりくらいに更新します。

少子化問題により地方はなくなるというテーマである。うんいい本だったでは芸がないので、少し深く考察したい。

結論から言ってしまえばこの問題の答えは上野村にある。

まずはっきりさせておくが、自分は限界集落という言葉は大嫌いだ。それは集落だけが限界なのではなく、都市の略奪による拡大再生産の仕組みが限界なのであって、都市を棚に上げて集落だけを限界とすべきではないと考えている。限界集落と表記するなら限界都市と記載すべきである。

ちなみに途中から評論家の論争を読んでも仕方ないと思って全部は読んでいない。東大卒のエリートすら簡単な計算も出来ないと言っているかれらですら机上の空論になっていて現場を知らない。

師の言葉を借りれば「社会システムそのものが疲弊している」ということである。つまり疲弊したシステムの中に身を置いている限りそのシステムを批判してもそのシステムの範疇でしかない。だから今の社会システムを維持させながら、人口論を語るならナンセンスである。

改めて上野村の話に戻ろう。上野村は人口1400人程の小さな村である。注目すべきは人口はやや減少しているが横ばいですんでいるてんだ。これにはIターンというよそ者が大きく関わってくる。人口の約2割に迫る勢いで定住している。実際収入は減るわけでどこに魅力があるのか。

確かに定住するものだけではなくと離脱していくものも多い。この違いは、何かと言えば地域行事に参加するかどうかだ。自分も家を借りた時の条件が地域行事への参加であったが、最初は騙されたと思うほどに地域行事が多い。しかし参加しているうちにだんだん楽しくなり、今では大変この地域に越してきたことを感謝している。

上野村の場合急峻な山の中に集落があり、10年くらい前にトンネルが出来るまでは陸の孤島に近い状態だった。それ故助け合いが生きるために必要不可欠であり、その文化が色濃く残る事が幸いした。
どんなに優秀な人でもそうでないとしても、人区としては一人として必要にされるわけである。人間関係が色濃いだけに面倒もあるが、それを超える楽しさもちゃんとある。

先に評論家の論争をくだらないと感じたのはここである。医療制度などは表面的な事象に過ぎない。そんなこといくらやっても本質的には何も解決しない。本質的問題は人が人として必要とされないからである。必要とされないから、子供を産んだって、将来を悲観してしまう事になる。SFではないが学校でSEXの授業を取り入れ、手厚く出産保証をしたとしても何の解決にもならない。

人が人として生きられる幸せはまだ地方には残っているが、国家という視点しか持たない官僚や大企業が先導している限り何も変わらない。

中核市には悪いが中核市は必要ない。グローバル化で国家という定義が曖昧になっている中ですでに中核市ができることと言ったら、地方再生の一時的防衛くらいしかない。その間に地方を再生させていくのだ。


だからと言って地方に東京に略奪された人を全て戻せばいいわけではない。大切なのは、適切な数だ。上野村で言えば、どんなに上野村が素晴らしいとしても一万人都市にはなれないし、なっては行けない。上野村だと今は少し人口が足りないと感じるので適正規模は師匠が言っている2000から3000くらいだろう。

そういう形で各都市に適正規模がある。大合併で市に昇格したところなどはもう一度解体して適正規模に戻すべきだ。

先日Facebookには書いたが、地方と都市の問題は宇宙に似ている。ビッグバンによる集約。そして分散。その後生命が誕生し、多様化していく。今人の社会では集約がようやく終わりを迎えそうなので、次は発散である。進化の過程において、新たな個体が生まれた時、既存生物の抵抗に会う。しかし優秀な個体が生き残れるのである。生物は環境により進化するる。まさに我々はチャンスに立っているといえる。人間が人間として思考出来ることが限界に来ているから、人間が作り出した社会システムも限界に来ているのだ。今一度人間が生物の一部たることを思い出せば、社会システムの問題に解決策を見出すことができるはずだ。

上野村という素晴らしい環境に出会えたことに感謝。先人たちが切り開き生活できることに感謝。そして黒澤丈夫氏が40年という長きに渡り思想信条を持って村政を行ってきた事に感謝。現神田強平村長に仕事をいただき生活できる事に感謝。地域行事に誘ってもらえる事に感謝。
日々感謝が出来ることは本当にありがたい。

上野村の方には自分たちが最先端である誇りを持っていただきたい。
くだらない中央集権論などに振り回されないよう身を挺して守りたい場所である。

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