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2013年3月18日 (月)

上野村のよさと渋澤栄一

上野村シンポジウムにお見えになった木内孝さんから自分が帯書きを書いたと言うことで、「深澤 賢治: 陽明学のすすめ〈5〉人間学講話 渋澤栄一」を頂戴したので、ようやく読んでみた。非常によい本だ。

この本の考察は別途記載するとして、同時に預かった、上野村の良さという宿題について考えてみる。別の人からは、みえだぶろぐにはもっと更新頻度を上げ、簡単な表現で上野村の良さ紹介をするように言われているのだが、それはまたの機会にさせてもらおう。

上野村の良さ・・・

自然が残る。コミュニティが残る。など表面的なキーワードは「残る」だ。
でもそれは本質ではない気がして掘り下げると「人が人として生きることに未来を感じられる」ことがよさなんだろう。
先人たちが多くを残してくださったことで生かされている。人は生きているのではなく、生かされているはずなのだが、これを感じる機会は現代社会においては少ない。これを再認できただけでも上野村に来た価値がある。

水と食料、必要最低限の人員はいるわけだから、たとえ国家がデフォルトまたはハイパーインフレになったとしても、エネルギーさえ確保しておけば、未来を継続することができる。このエネルギーの自立というテーマは上野村にとっては非常に大きい。

師匠の内山節先生は最近、上野村に知恵を貸してほしいとよく言っている。上野村に知恵を貸すと言うことはどういうことなのか。手を貸すと言うことは手を貸すだけの魅力がいる。そのあたりは師匠は明言していない。「僕の好きな上野村だからよろしくね」というのも、考えられる。この場合、「僕」自身が存命の間は確かに魅力をはっきりできるかもしれない。

上野村は接点さえもてれば意外とリピーター率は高い。それは上野村という土地が持っている良さもあるだろうし、人の良さもある。この引力はまさに現代の桃源郷というにふさわしい。

しかし、難点はその接点を持たせるまでが弱いと言うことである。一方で上野村は今のくらいがいいところであるという人もいる。確かに上野村は「市制」が必要な規模になる必要はないし、なってはいけない。しかし現状維持でいいかと言えばそうではない。現状維持というのは社会の劣化を意味する。何もしなければ高齢者人口が増加し、社会がままならなくなる。

師匠もおっしゃっているとおり、上野村が持続していくためには、周りとも関係性を結んでいかなければいけないのである。確かに来れば良いところかもしれないが、それでは人は関係性を結ばない。関係性を結ぶためのきっかけがいるのである。

そういう意味で上野村に足りないのは、社会と上野村を翻訳しデザインする人たちである。人口1400人の内200人以上が外から来た人Iターンだというのだから、自分も含めたこの人たちが担うべき所もある。しかしながら、必ずしも資本主義の論理を理解し提案ができるとは限らない。それであれば外から連れてくるしかない。

ここで渋澤栄一氏の話に戻ろう。彼は明治政府で重要な仕事を任されていた人物である。実家は藍問屋。元々尊王攘夷派であったが、ひょんなことから一橋家の家臣として迎えられ、慶喜公に使えることになる。そして明治政府では大蔵省にいたが、大久保利通とけんかし大蔵省をやめ、日銀の前身を作り、融資、顧問という形で富岡製糸、足尾銅山、JR、東電、など多くの有名企業の前身を作ることになる。

明治以降の社会が幸せなのか振り返れば、明治維新が意味のあることだったのかと考えさせられるものである。しかし渋澤氏が木っ端役人に無礼を感じたとおり、システムとしては末期に来ていたのかもしれない。渋澤氏は私欲を肥やすために行動したわけではなく、すべては国家太平のためにしたことである。確かに足尾鉱毒事件などが起こったわけで、すべての手法が正しかったとは言い難いのも事実。

しかし気づいた者は行動をしなければいけない。自分も幸せを満喫し、くすぶっていないで、行動をしなければいけないと痛感させられる。何しろ社会を担うのは子供たちであり、それは幼少期の体験に裏打ちされるのだから。

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