« お師匠さん:内山節先生の話は直接に限る。 | トップページ | 若者の立ち位置 »

2011年9月29日 (木)

第169回J.I.フォーラム「若者が実践し、考える『政治の中身』」を聞いて

先日にっぽんので「上野村ナイト」でお会いした方にお誘いをいただきJ.I.フォーラムに行ってきました。いつものことですが、面倒だとか、お義理で出かけていることが多いのですが、そういう感情をすぐに改めさせられるいいイベントに参加させていただけること、感謝です。

内容とするとNPO、NGO、社会起業家を実践している自分と同じR25世代の講演会でした。

パネリストは以下の通りで、少し話の概略を書いておきます。(あくまで自分のメモなので、原文ママではありません。)

  • 五十嵐 立青(障がい者雇用農園、ごきげんファーム代表理事/つくば市議会議員)
  • 大野 更紗(難病患者、『困ってる人』作者)
  • 川添 高志(ワンコイン検診発案、ケアプロ(株)代表取締役)
  • 小沼 大地 (NPO法人クロスフィールズ 代表理事)
  • コーディネーター: 荻上チキ (シノドスweb編集長)

五十嵐さん(1978年生まれ)

農家は人手が足りない。障害者は働く場所がない。うまくつなげられないかと思った。企業には障害者の雇用義務があるが、雇用するよりまだ罰金を払う方がましだとほとんどの企業が護っていない。

自分もよく知らないので、まずは彼らがどのくらいのことができるかしめそうと思った。障害者と障害者でない人の違いは少ない。もしかしたら私だって該当するかもしれない。そして今障害者に与えられる仕事は障害者のレベルにあっていない。あなたは障害があるからトイレ掃除だけしていればいいという状態。賃金が安いばかりではなく、中には給料も払わず交通費も持ち出しで働かせてやる場を作ってやっているという会社もある。そういう状態でも働いているのが現状だ。

障害者の能力は高い。例えば自閉症の人なら同じ作業を私たちよりも早く黙々とできる。

政治家であればペナルティーを増やそうとする。そうではなく障害者がきちんと働けることを提案していく。新しい物を作らなくても、関係性をイノベーションして、ある物をつないでいく。

政治は劣化しているがそもそも制度の問題かを考えなければいけない。NPOに最低賃金を払う能力がなければやっても意味がないという人がいるが、それは間違いを生む。それは最低賃金を稼げない人は排除されてしまう。最低賃金を稼げる仕事ができない人は仕事をする場を失ってしまう。

社会的認知度を上げていく。一緒に働く人は生き甲斐を初めて感じた。毎日の食事がおいしく感じるようになった。毎日仕事をしたいといってくれる。しかし前後をきちんと比較しなければ意味がない。ただ、良くなっただけではなく、どういうときに機嫌が良くなったのかをきちんと聞く。どういう要素が障害を持つスタッフをご機嫌にするのかエビデンスを取る。

大野さん(1984年生まれ)

大学がある四谷は国内の難民支援NPOや弁護士がたくさんいる。そのような環境の中で自分も難民支援にあたっていた。そして自身が難病にかかり、日本国内で突然難民になる経験をした。一切の社会保障がなく愕然とした。

書籍を執筆し、言葉を扱う物として慎重に歴史的バックグラウンドをふまえながら話していこうと思う。戦後の日本に福祉はなかった。福祉とは人の生活を支えるシステムである。しかしほとんど動いていなかった。これを埋めていたのが、一つは企業の終身雇用。これによって保険などが安定的に供給された。そしてもう一つが家族。インフォーマルな福祉を担ってきた。しかし現在終身雇用は破綻し、家族の形態は多様化しているのに家族の姿として3丁目の夕日の世界をノスタルジー化してる。しかし今まで行政にニーズがあげられてこなくても機能していただけに、行政は機能不全。認知すらされない人が隙間に落ちている。

社会起業家やNPO,NGOがこういう問題を示すと言うことには意味がある。日本の問題は建前の問題じゃない。本音でそう思っていたらそんな行動はしない。とても先進国といえないレベル。障害者が地域で生きていくのは大変。そこから先に行けるかどうかが大変。問題は可視化した。日本は社会保障やNPO、NGOになれていない。一般的には断片的イメージしかない。すごくいい人たちというイメージばかりがあり、それが活動に制約をつける。

NPO,社会起業家が自分たちの能力をフルに発揮できない。社会の側がこうあるべきだと思う制約の中でやらなければならない。このイメージが変わらないと法整備につながらない。NPOごとに財務状況や人員が異なるが、NPO法で一律に財務の開示、定例の理事会を開くことは大変。一律にされることが足かせになる。公が最低限まかなうべき合意があった上でNPOは能力を発揮できる。

みなさん会社でメタボ検診を受けていると思うが、あれはアメリカっぽい。健康体という概念があってそこに持っていく物だと。たしかに予防医学は大切かもしれないけど、よけいなお世話だと思う。

専門家ですら自分の範囲のことしか知らない。全体を把握している人がいない。プロセスが重要。今までは専門家や業界の人が来て、省庁が音頭を取る。そうすると想定外の論点はでない。難題は誰を呼んだらいいかわからないから会議すら開けない。現場の声は反映されない。

昔は地元の資産家などお金持ちが福祉を担っていた。しかしお金持ちの気まぐれの福祉ではなく、流動的で変化する民間の中でどうするか。データーがあるから対策できる。心の問題だけでは、物理的問題は解決できない。

国は多元性を確保するのが仕事。

川添さん(1982年生まれ)

病気になってからではお金がかかる。保険証すら持っていないフリーターも多い。そこで保険証なし、5分で検査できるようにした。

最初は医師を雇用しようと思っていたが、そうするとどうしても数千円かかってしまう。それだと我々が対象としたいフリーターは1割も受診できなくなってしまう。そこで検査自体は自分でやってもらう。それならば医療行為ではないので、安く提供できる。検査をしてもらうと3割が異常値で即病院に行ってもらわなければならない。病院を紹介することは薬事法に係ってしまうので、例えば糖尿病が心配される場合には当該診療科を教えて、後はインターネットなどで自分で検索してもらう。

検査結果に基づいて生活管理の仕方を教え、定期的に検査するしPC、携帯で管理することで健康改善に努めてもらう。

小池さん

まだ、会社を立ち上げたばかりで実際の活動を行っているわけではない。私たちの世代はITバブルの崩壊や、阪神淡路大震災を経験し、社会的関心が強まっている世代。だからといって自分で会社を興して何かをしているわけではなく、一度組織に入って勉強しようとする。そうすると組織に染まってしまう。

行政や企業には優秀な人材がいる。そこで転職するのではなく、仕事にとどまりながら毛件を積んでもらうプログラムを考えた。そこで組織に属しながらNGOなどの活動を企業に研修の一環として売り込んでいる。しかしいいことだとは認識しても、他の企業がやっていないなら、新しいことを始めるには・・・とお断りを受ける。また社会に役に立っても自分の企業の何の役に立つのかといわれてしまう。

|

« お師匠さん:内山節先生の話は直接に限る。 | トップページ | 若者の立ち位置 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188237/52865652

この記事へのトラックバック一覧です: 第169回J.I.フォーラム「若者が実践し、考える『政治の中身』」を聞いて:

« お師匠さん:内山節先生の話は直接に限る。 | トップページ | 若者の立ち位置 »